はらぺこオオカミと、くるくるヒツジ
はらぺこオオカミと、くるくるヒツジ
はらぺこオオカミは、う〜む、と なやみます。
そうげんに、おいしそうな ごちそうがいるのです。
しろくて やわらかそうな くるくるまきげが、おひさまに、ふわふわ かがやいています。
みどりのなかにいる くるくるヒツジは、とても、きれいにみえました。
はらぺこオオカミが きているけがわは、ちゃいろくてゴワゴワかたいので、
しろくて やわらかそうな くるくるまきげが、ひみつの たからもののように、まぶしいです。
はらぺこオオカミは、う〜む……！ と なやみます。
だって、とっても、はらぺこです。
きのうから、なんにも たべていないのです。
とりあえず、かくれていた はやしのなかを、ひとりで、うろうろしてみました。
かいけつほうほうは、みつかりません。
はらぺこオオカミは、うう〜むっ！ と なやみます。
だって、くるくるヒツジをたべてしまうと、あの しろくてきれいなくるくるまきげが、あかく よごれてしまいます。
せっかく、じぶんだけの たからものを みつけたのに、それは、とても、イヤなのです。
とりあえず、ちゃいろい けがわの うでをくんで、くびをひねって、かんがえてみました。
かいけつほうほうは、みつかりません。
はらぺこオオカミは、ううう〜むっ！ と なやみます。
はらぺこのおなかがクークーないて、はやく たべよう、とさそいます。
とりあえず、ないてるおなかを、りょうほうのてで、おさえてみました。
かいけつほうほうは、みつかりません。
くるくるヒツジは、おしょくじちゅうです。
しろくて うつくしい、くるくるまきげを、おひさまに ぽかぽか てらされて、
それはそれは、おいしそうに、みどりのくさを たべています。
くるくるヒツジは、しあわせそうです。
はやしのなかで、はらぺこオオカミが なやんでいることなど、くるくるヒツジは、ぜんぜん しらないのです。
だって、はらぺこオオカミは、あしおとや においを けしてしまうのが、とっても じょうずでしたから。
はらぺこオオカミは、うううう〜むっ！ と なやみます。
とりあえず、シラカバのきを、がしがし、きばで、かじってみました。
けれど、おなかは、なりやみそうにも ありません。
そもそも、きのかわは、あんまり、すきではありません。
はらぺこオオカミは、けっしんしました。
うんっ！ と、おおきくうなずいて、シラカバのはやしを でていきます。
きりっ、と、かおを まえにむけ、
りょうてをふって、ずんずんと、
くるくるヒツジに むかいます。
くるくるヒツジは、かおをあげ、「なにか、ごよう？」 と、ききました。
はらぺこオオカミは、ごくり、と、つばをのみました。
「 おともだち から、はじめませんか？ 」
この 「 え 」 をかいたひと : まったりほんぽ ni-na さん
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