ディール急襲 第2部1章

 
 
 原野の木陰で腕をくみ、傭兵が体を休めていた。
 編みあげ靴の足を投げ、無言で目を閉じている。
 一面にひろがる青草に埋もれ、スズメがちゅんちゅん跳ねていた。
 木根に置いた革の上着に、木漏れ日がちらちら揺れている。
 旅に、出ていた。
 あのとき窮地を救ってくれた、黒い髪の傭兵と。
 
 
 

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