interval 7 〜 発端 〜
……俺のせい、と言われてもね。
だって、仕方がないだろう?
だって、まさか思わない。君が 「あそこ」 にいたなんて。
あの北カレリアの戦乱の町。物見櫓の舞台の上に。
「俺のせい」 と君は言う。
あの発動で、竜が目覚めた。
まどろんでいたあの竜が。それで竜に見つかった。何百年も隠れていたのに。
だが、そもそも無理な話だ。
わかる訳がないだろう。だって、隠れていたのなら。
まったく、大した根気だね。何百年も逃げまわっているなんて。一体いつまで逃げるつもり?
ぐるぐる、ぐるぐる螺旋を描いて、時空を超えた追いかけっこ。
ある時は艶やかに、ある時はみすぼらしく、
逃げて、隠れて、真の姿を悟られぬよう、
ゆめ気づかれることのないように、追い越し、追い越され、息を切らして。
それで、君は、どうするつもり?
その娘を乗っ取るつもりなの?
中々うまい手を使うじゃないか。
確かに、ひとまず安全だ。あんな連中が囲んでいたら、おいそれとは手が出せない。
君が呼び寄せたんだろう? 竜から我が身を守るために。
あの連中は連中で、別の思惑もあるんだろうが、あれでは三つ巴で動けない。互いに互いを牽制し、誰もたやすく出し抜けない。
君は何を期待する?
君を脅かす竜の死を? 永久に彼から逃げ果せること? けれど、それは、
本当に?
君の、真の望みは何。
*2017.9.12 第3部2章 了
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読者さまにおかれましては、長らくのご愛読ありがとうございます。
2015年10月から連載しました 第3部2章ですが、
予想以上にイベントが多発し、プロットの作成が追いつかなくなったため、一旦切って、章を分けることに致しました。
この長い連載で、脇筋が大量発生しましたため(←注・ぜんぶ己のせい)、かくなる上は、なんとかまとめてケリをつけるべく、しばらくプロットを練ろうと思います。
仕上がり次第、本編完結、最終章に向け、連載を再開する予定でおりますので、その節には、どうか又、お運びいただけると嬉しいです (*^^*) 彩乃海鈴 拝
☆ アンケート2017 ☆
ご
終盤に向け、創作の参考にさせていただきます (*^^*)
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