僕は自転車で走っていた。
地球のまわりを一周、二周、三周──。
ピラミッドを見て、凱旋門を見て、自由の女神を見た。
オーロラを見て、ペンギンを見て、ピレネーを見て、モアイ像を見た。
風が、ごうごう耳元でうなる。
自転車はますます加速する。
車輪はうなり、タイヤのゴムは焼き切れて、光の速さで四周、五周、六周──
小石につまずき、ピン──と弾き飛ばされた。
入道雲を抜け、成層圏を抜け、大宇宙に放り出される。
無音の真っ暗な宇宙では、僕の自転車がふわふわ漂い、星がキラキラ瞬いている。
僕もぽっかり漂いながら、広大な宇宙をながめ渡す。
一つ、キラリと星が流れた。
答えは、どこにあるのだろう。
〜 苦 悩 〜
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