CROSS ROAD ディール急襲 第2部3章 6話7
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 静かな木立をバパに付いて歩いて行くと、吼えるように呼ばわる怒鳴り声が聞こえてきた。
「──おうバリー! ちょっと出て来い!」
 雄叫びのような銅鑼声だ。声を辿って視線を向ければ、黒い木立の向こう側に、雑木林が僅かに途切れ、ぽっかり開けた場所がある。仁王立ちしている背中が見えた。肩を覆う黒い蓬髪、綿シャツだけの逞しい背中、アドルファスだ。
 騒ぎを聞きつけ、林立する黒い木立の向こうから、一人、又一人と、アドルファス配下の野戦服達が怪訝な顔を見せ始める。左手で何やら言い交わし、その内の一人が奥へと走った。程なく、こちらへと向かう数人の人影が木立の向こうに現れた。
「──なんすか、頭(かしら)」
「お前に訊きたいことがある」
 アドルファスの大きな背中が、いがらっぽい声で応答する。足を止め、彼らが互いに見交わした。先頭にいる男の頬には、忘れもしない大きな古傷。
 バリーだ。とっさに飛び退き、エレーンは、慌てて避難した。左の腕にしがみ付き、背中に隠れて、隣の肩を盾にする。周囲にいる男達は、一緒にいた仲間だろうか。
 分からない。さっきは恐慌をきたしていたこともあり、ましてや暗闇の中という悪条件だ。バリー以外はどれも同じような顔に思えて、一人一人顔を見ても、やはり一向に見分けがつかない。
「──あんだよ。なにコソコソしてんだよ」
 ファレスがかったるそうに振り向いた。「なんてこたねえよ、あんな野郎の一人や二人」
「だ、だって!」
 エレーンは、ビクビク顔を仰いだ。けれど、鬱陶しげに見やったファレスは、しがみ付いた拠り所を、薄情にも払い落とそうとする。慌てて腕にしがみ付き、内緒でバリーを指差して、プリプリ口を尖らせた。「だって、さっき、あの人があ! この前だって変な薬を──」
「薬?」
 ファレスが鋭く聞き咎めた。柳眉をひそめ、取り付いた腕に構うことなく歩き出す。
「──あ?──ちょ、ちょっと女男!?」
 たたらを踏んで引きずられ、エレーンは、とっさに手を離した。このままファレスにくっ付いていたら、バリーの前へと引き出されてしまう。ファレスは、ツカツカ近付いて行く。行く手でたむろしているのは、バリーと数人の一団だ。
 ふと、バリーが振り向いた。自分に向かうファレスの気配に気づいたらしい。用件に心当たりはないらしく怪訝な顔をしているが、当のファレスは、声をかけるでも、足を止めるでもない。訝しげに見返すアドルファスを追い抜き、一団との距離がいよいよ近付く。ファレスの視線は、バリー一人しか捉えていない。彼らの前に辿り着くや否や、右の肩を振り被り、大きく一歩踏み込んだ。
 けたたましい激突音が轟いた。幹に叩きつけられたバリーの体が、木の根にズルズルともたれかかる。バリーとファレスを唖然と見やって、皆一様に何が起きたか分からないといった面持ちだ。だが、ファレスは、やはり構うことなく、尚もバリーに向けて踏み出そうとする。近くで絶句していた取り巻きが、それに気づいて、わらわら慌てて立ち塞がった。
「──何をするんです!? 副長!」
「そ、そうですよ、いきなり、」
 蹲るバリーを背にかばい、抗議に沸く野戦服達。自分に向けられた反感と不服の顔に目をやると、ファレスは、手近な野戦服の胸倉を掴んだ。拳を振り上げ、無造作に頬を殴り飛ばす。
「副長っ!?」
「や、やめて下さい! 副長!」
 驚いた周囲が慌ててファレスに取り付いた。だが、ファレスは、難なくそれを振り払い、突き飛ばし、蹴りつけ、手当たり次第に殴りつける。その間、何の説明もない。殴打と蹴りの不穏な音が、宵闇の雑木林に殺伐と立ち込めた。止めに入った十人弱の、その場にいた野戦服が、みるみる地面に沈んでいく。一人、二人、三人──。
「──おいおい、こいつは、」
 唖然と見ていた隣のバパが、突っ立った足を戸惑った顔で踏み替えた。二人の首長は、呆気に取られて見守っている。事情が全く分からぬだけに制止しかねているようだ。地を這い、体を折った人影から、激しい咳き込みと低い唸りが聞こえてくる。
「……お、おんな、おとこ?」
 エレーンは、固唾を飲んで見つめていた。突如繰り広げられた無体な暴行。こんな荒れ方は初めてだ。ファレスは確かに柄は悪いが、理不尽な暴力をふるうようには思えない。どうしたら、いいのだろう。どうしたら、ファレスを止められる? けれど、思考はすっかり停止して、体は硬直したまま動かない。
 バリーを庇う取り巻きが全員地面に蹲るまで、長い時間はかからなかった。最後の一人を殴り飛ばして、ファレスは、前傾した身を引き起こす。
「てめえらも同罪だ」
 短く冷淡に吐き捨てた。苦悶の呻きが満ちる中、見慣れたあの長髪の背が、蹲ったままの左手のバリーに近付いて行く。淡々とした冷たい横顔。迷いのない足取り。けれど、ここにいる彼らは仲間ではないのか? ずっと同じ群れで行動するのに、恨みでも買ったら、どうするのだ。仲間同士であんなこと──
「……だ、だめ、……女男!」
 制止しようと口を開く。けれど、喉はすっかり萎縮して、小さく掠れた自分の声は、まるで相手に届かない。
 刹那、焦燥に駆られた。
 ──彼にあんなこと、させちゃいけない!
 足が、勝手に前に出た。
「──出るな! こら!」
 横から叱責が飛んできた。と同時に、視界が大きく反転した。ガクンと体がつんのめり、視界が激しく切り替わる。次に写し出されたのは自分の靴先と暗い地面。──と思うまもなく体が引っ張り上げられた。誰かの腕で、胴を引っ抱えられている。エレーンは、上体を起こして振り仰いだ。
「迂闊に飛び出すな。危ねえな」
 短い舌打ちで叱責したのは、あの短髪の首長だった。驚いた顔を向けている。エレーンは、ファレスを指差した。
「で、でも、女男を止めないと! 早くしないと、あの人、怪我を──!」
「──ああ?」
 バパが面食らったように眉をひそめた。すぐさま呆れた顔をする。
「あんたに止められる訳がないだろう。あんな気が立った所へ飛び込んでみろ。即刻巻き込まれて怪我するぞ」
「でも──!」
 後ろのバパを振り仰ぎ、言い返そうとした、その時だった。
「立て」
 短く命じる声がした。
 残忍な響きに、ギクリ、と全身がすくみ上がる。一瞬、誰の声だか分からない。けれど、そんな言葉を口に出来る者は、ここには、あの彼一人しかいない。
 エレーンは、息を飲んで振り向いた。ファレスは既に、バリーの真ん前に立ち塞がっている。
「……なんすか副長。いきなり」
 自分に落ちかかる人影を、バリーは、切れた口端を腕で拭い、顔をしかめて仰いでいる。木の根に座り込んだまま、未だ動けずにいるようだ。ファレスは、冷ややかに見下ろすと、ぶっきらぼうに顎をしゃくった。「さっさと立てよ」
 不服そうに首を傾げて、それでもバリーは命に従う。地面に手を付き、のろのろと大儀そうに身を起こし、小首を傾げて窺うように顔を見る。──と、その途端、激しく背後に仰け反った。ファレスが殴りつけたのだ。とっさに逃げようとする腹を、更に無慈悲に蹴り上げる。腹を抱えて、バリーがうめく。だが、再度近付く気配に気づいて、慌てて尻で後退った。「……な、なんすか!? これは!」
 戸惑いながらも吼えるような抗議。その胸倉を、ファレスは、片手で掴み上げた。
「覚えがあんだろ、"クロロフォルム"。てめえ、樹海で何しやがった!」
 踏み出しかけた足を止め、バパとアドルファスが目配せした。掴んだシャツの胸倉を片手でギリギリ締め上げて、ファレスは、凄みを利かせて恫喝する。
「忘れたとは言わせねえぞ。預かり物に手なんぞ出しやがって!」
「し、知りませんよ」
 バリーが苦々しげに目を逸らした。「──何かの間違いじゃねえっすか」
 胸倉を掴んだファレスの手に、気色ばんだ力が篭る。怒声の一喝が轟いた。
「とぼけんじゃねえ! ネタはとうに上がってんだよ! てめえの面の刀傷、そいつが何よりの証拠だろうが!」
「──はっ! そんなもの!」
 バリーがせせら笑って見返した。
「だから、なんです? 面に傷のあるヤツなんざ、ここには、ごまんといる筈ですがね」
 揶揄するような挑戦的な視線だ。ファレスの片頬が、ピクリ、と動いた。
「てめえ、俺をおちょくるつもりか?──上等だ。ただで済むと思うなよ」
 ファレスの手がバリーの脳天を鷲掴んだ。左手で髪を掴んだままで、腰から短刀を抜き払う。
「右か左か、一方を選べ」
 頭部の痛みに顔をしかめて、バリーが怪訝そうに振り仰いだ。
「耳だよ耳。手足や目玉じゃ、今後の業務に差し障る」
 バリーが眼(まなこ)を見開いた。恐怖におののき、へたり込んだ尻で後退りする。
「──じょ、冗談じゃありませんよ! なんで、俺がそんな目に!」
「さっさと答えろ。どっちの耳を削いで欲しい。まずは左からか?」
 ファレスは、刃を振って返答を促す。とっさに硬く目を閉じて、バリーが首をすくめて、歯を食いしばった。
( ──本気だ! )
 エレーンは、驚愕に息を呑んだ。
( とめないと──! )
 だが、体は硬直しきっている。足は根が生えたように動かない。
 緊張に、喉がカラカラに渇いた。視界が狭まり、既に釘付けになった目は、ファレスの冷ややかな顔しか捉えられない。ぽん、と肩を叩かれた。
「──だ、だめえっ! 女男っ!」
 喉につかえた叫び声が、弾かれたように飛び出した。
 ファレスがピクリと身じろいだ。柳眉をひそめて、ふと振り向く。金縛りが解けていた。エレーンは、すかさず行動を起こす。
( だめっ! だめよっ! 女男っ! )
 とっさに両手を交差して、顔の前で大きくバッテン。口をパクパク開閉し ( 即刻、中止せよ )のサインを送る。ファレスは、怪訝に見入っている。刃を握ったファレスの腕が、不意に手荒く掴まれた。
「……首を突っ込んで来るんじゃねえ」
 やんわりと、野太い声が牽制した。我に返って、ファレスが振り向く。そこにいたのは、いつの間にか近付いていたアドルファスだ。
「そこを退いてもらおうか。こいつは俺んトコの部下なんだよな」
 のっそり割り込んだアドルファスは、手から刃をもぎ取って、ファレスの腕を突き放す。取り上げた短刀を無造作に投げ捨て、威圧の視線で振り向いた。「てめえのカタは、てめえでつける。副長といえど、手出しは無用だ」
 ほー……っと、エレーンは、胸を撫で下ろした。アドルファスが乗り出したからには、これで、もう大丈夫だろう。──と、ぽん、と頭に手が置かれた。
「よーし、よしよし。良い仕事だ」
 " いいしごと " ?
 エレーンは、ぽかん、と振り仰いだ。見れば、その手の持ち主は、見物していたバパである。苦笑いで眺める視線の先には、アドルファスを睨めつけるファレスの顔。片手でファレスを押し退けて、アドルファスは、周囲の部下達に顎をしゃくった。「──押さえろ」
 短く命じられ、数人が、はっ、と我に返る。そして、
「し、失礼しますっ! 副長!」
 あたふたファレスに殺到した。長髪のその姿が、瞬く間に野戦服に呑まれる。四方八方から腕を取られて、ファレスが苛立って舌打ちした。「──放せ。鬱陶しい」
 だが、周囲に立ちはだかる人垣は、何れも強張った面持ちで拒絶する。
「──調子に乗ってんじゃねえぞコラ」
 人垣の中から、剣呑な声が低く聞こえた。詰めかけ犇く背中の向こう、逃さぬようにと密集した野戦服の隙間で、ファレスがギロリと睨めつけた。
「放せってんだ!」
 次の瞬間、周りを囲った数人が、バラバラと激しく投げ飛ばされた。容赦なく地面に叩きつけられ、肩や腰を押さえて呻いている。
「……そりゃ、無理だよな」
 バパが小さく嘆息した。「──にしたって、全滅はねえだろ、情けねえ」
 一人ごち、短髪の頭を、やれやれ、と掻く。押しかけ押さえ付ける一団を腕の一振りで振り払うと、ファレスは、白けたように舌打ちした。背を屈め、腕を伸ばして、地面から短刀を拾い上げ、腰の鞘へと刃を戻す。ファレスは、揉みくちゃにされた衣服を叩いて、かったるそうに整えている。相変わらず憮然としている様子だが、もう、バリーに掴みかかろうとはしない。気がすっかり削がれたようだ。
「──おう、立てるかよ」
 アドルファスがバリーに声をかけた。だが、バリーは、木の根に座り込んだまま、緩々首を振るばかりだ。「仕方がねえな」と呟くと、アドルファスは、足を踏み替え向き直った。「今の話は、本当か」
「──ですから!」
 バリーが顔を振り上げる。「……俺は、知りませんよ、そんなものは」
「そうかい、そいつは困ったな」
 ファレスは、傍らに立ったまま、刺すような視線を向けている。その顔とバリーの不貞腐った顔とを見比べて、アドルファスは、目の前のバリーへと確認するように目を戻した。
「副長も、お前も、双方どっちも譲れねえ──つまりは、そういう話だな?」
「ええ! こっちは、まったく、いい迷惑ですがね」
「──なんだと、コラ」
 ファレスが不穏に威圧する。再び掴みかかろうとする腕を、そつなく制して、アドルファスは、続けた。
「なら、あっちの方はどうなんだ」
「……あっち?」
 顎の先をしゃくったその先にいたのは、
「──は? あたしィっ?」
 ぱちくり瞬き、エレーンは、己を指差した。アドルファスがバリーに目を戻す。
「今しがた狼藉を受けた、と、こう言って来てるんだがな」
 促され、バリーが訝しげに視線を寄越す。ギクリ、と、エレーンは、飛び上がった。
「え?──え!? えええっ!?」
 矢面か!?
 一同の視線が集中した。
「……あ、……いや、あの〜ぉ……?」
 心拍数は、急上昇。やはり、と言うべきか、バリーの視線が( 余計なことは喋るんじゃねえぞ )とあからさまな脅しをかけてくる。動揺し、己を指差し、周囲の顔をあたふた見回す。「あ、あたしは、別に……そんなことは……?」
 語尾が尻つぼみで立ち消える。エレーンは、上目使いで引きつり笑った。もちろん( 言い付けたのは、あたしじゃなくて、バパさんなんですけどー!? )と真犯人を睨めつけるのも忘れない。背後のバパは、そっぽを向いて知らんぷりしたが。
「……ああ言ってますけど?」
 鼻先でせせら笑い、バリーが勝ち誇ったようにアドルファスを仰いだ。
「何かの間違いじゃねえっすか?」
 むっ、と、エレーンは見返した。言うに事欠きあの男!? たった今しがたのことなのだ。間違えようがないではないか。犯人は、確かに、絶対、あいつである。盗人猛々しいとは、まさにこのこと!
 この極悪非道な腹黒小悪党二枚舌野郎が!
「間違いじゃないわよ! 白々しい!」
 はっ、しまった……、と思った時には手遅れだった。慌てて口を押さえるも、気付いた時には、鼻息も荒くまともに怒鳴り返した後である。アドルファスが足を踏み替え、バリーを見据えた。
「どういうことだ」
 忌々しげに舌打ちし、バリーが不貞腐って吐き捨てた。「──あんな格好で抱きつかれりゃあ、誰だって " 遊び " に来たと思うでしょうよ」
「向こうの方から抱きついてきた、ってのかよ」
「そうっすよ! 俺は嘘なんかついちゃいねえよ。──そうですよねえ、奥方様?」
 アドルファスが怪訝な目を向けてくる。ギクリ、と顔を強張らせ、エレーンは、慌てて手を振った。
「あ!──や、だから、そのぉ〜──あの時は、あたしも色々都合あったし──いや、なんでか、いつの間にか、そういうことに──」
 場の空気が一気に白けたように思うのは気のせいだろうか。冷ややかにトーン・ダウンした一同を、あたふた慌てて見回して、( ──いや、だから! あのキツネのヤツがあ〜! )と内心で叫んで、ザイの親分・短髪の首長をギロリと鋭く睨めつける。又も視線を逸らされたが。
「……どうにも埒があかねえな」
 重々しく嘆息し、アドルファスは、バリーに目を返した。その後も二、三の質問を重ねたが、バリーは何れの罪状をも否定して、あくまで合意の上と空惚けた。ファレスは、口を挟むことなく、無言で傍らに立ったまま、冷ややかに経過を見守っている。アドルファスは、逞しい腕をじっと組み、バリーの言い分を聞いていたが、事情のあらかたを聞き終えると、考え込むように嘆息した。
「それなら、どうだ。一つ、俺と勝負をしねえか」
 身じろぎし、バリーにおもむろに向き直る。バリーが怪訝に目を向けた。
「……俺が、頭(かしら)と?」
 苦笑いで首を振る。「──よして下さいよ滅相もねえ。俺が頭(かしら)を叩ける訳がねえでしょうが」
「しかしなあ、こうして苦情が来ちまったからには、俺も捨て置くことは出来ねえしよ。副長も気が収まらねえ様子だが、お前の方もやられっ放しじゃ気が済まねえだろう。エレーンと副長の名代を、俺がこの身で引き受ける。俺とお前でケリをつける。どっちが勝っても恨みっこなしだ。それで水に流そうじゃないか 」
「そんな茶番で煙に撒けると思うなよ」
 堪りかねた声と舌打ちが、二人のやり取りに割り込んだ。ずっと胡散臭げに見ていたファレスだ。とうとう我慢できなくなったらしい。忌々しげなその顔を、アドルファスが苦笑いで、だが、心外そうに振り向いた。
「──おいおい副長、よしてくれ。そんなこた端(はな)から思っちゃいねえよ。だから、こうして、ケリつける話をしてるんじゃねえかよ」
「今は行程の最中だぜ」
 地面に唾を吐き捨てて、ファレスは、忌々しげにアドルファスを睨んだ。
「" ヴォルガ " はご法度の筈だがな!」
 
「──何を騒いでいるんだ」
 ガサリ、と藪が大きく鳴った。
 
 
 
 
 

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