■ CROSS ROAD ディール急襲 第2部 3章 interval 〜 鼓動 〜
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梢を透かした月光が、床に影を作っていた。
包帯下の滑らかな肩が、月光に仄白く輝いている。
宵闇のテントの暗がりで、荒い鼓動だけを聞いていた。
床についた両手の中の仰向いた寝顔を見下ろして、ウォードは浅く息をつく。
風取り窓から、夜風が舞い込む。薄暗いテントに、音はない。
" ヴォルガ " に沸く歓声だけが、遠く微かに聞こえていた。
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