君は、もうこれ以上、関わらない方がいい。
 わかっているの? 君がどれだけ、厄介なものを呼び寄せているか。  
 
 君は、どうしてしまったの? 
 はたが思うより君は利口で、うまく立ちまわってきたはずだろう。
 周りの者を利用して、使い得る機会の全てを使って、ここまでやって来たんだろう。
 君のことは、わかっている。
 目的地は、ここじゃない。道も、志も、半ばのはず。
 
 手を放して、戻っておいで。
 すぐに、そこを抜け出して。そこは、君のような女の子が、いつまでもいて良い場所じゃない。
 後のことは引き受ける。
 すべて任せてくれていい。
 
 こんなことを続けていたら、やがて、自力では降りられなくなる・・・・・・・・
 こうする間にも勢いは増して、どんどん強くなっている。今なら渡れる浅瀬でも、やがては君を押し流す。君はすっかり呑まれてしまい、君が君では・・・・・なくなってしまう・・・・・・・・よ。
 だから、早く、そいつを置いて──
 
 
「……ねえ、エレーン。僕を見て」
 
 そいつじゃなく、僕の方を。
 
 
 


 
 
 
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