ぐるぐるの森 

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 あっちかな? こっちかな? 
 出口はどっち? ブツブツブツ。

 
 まおくんは、困ってしまいました。
 みんな、てんで、あてにならないのです。
 なんだか、みんな、森の出口を知らないようです。みんなは森から出ないから、興味がないのかも知れません。
 けれど、早くおうちに帰らないと、アニメが始まってしまいます。
 おなかも、ちょっぴり、へってきました。あっちに行ったり、こっちに行ったり、森中、うろうろ歩き回ったから、足だって、もう、へとへとです。
 このまま、森から出られなくなったら、どうしよう?
 まおくんは、とうとう、切り株の上に、座り込んでしまいました。
 くー、と泣いたお腹をさすって、まおくんは、両手で頬杖をつきました。
 出口は、さっぱり分かりません。
 空も、どんどん暗くなっていくばかり……
 
 ふと、まおくんは、ひらめきました。
 道に迷って困っているなら、知っている人に教えてもらえばいいのです。
 まおくんの好きなゲームなんかだと、こういう時には、賢者に聞くのが一番です。
 けれど、ここは、森の中。誰に聞いたら、いいのでしょうか?
 
 賢者、賢者、森の賢者、う〜ん……?
 
 あ!
 そう、そういえば!
 
 ぴ〜ん! と、まおくんは、ひらめきました。
 たしか、2番目に会った《 タヌキどん 》が、「 おいらにも、×× くらいに知恵があれば、落第なんてしなかったのになあ 」 って、うらやまがっていたはずです。
 きっと、それが " 森の賢者 " です。
 でも、……
 
 まおくんは、う〜ん、と、首をひねります。
 
 いったい、誰のことだっけ?
 
 まおくんは、しばらく、そうやって、首をひねって思い出していましたが、ふと、目をパチクリすると、ポン! と、ゲンコで、手をたたきました。
「 《 ものしりフクロウ 》だ!」
 まおくんは、切り株の上から、立ち上がりました。
 よし! と大きくうなずいて、意気ようようと歩き出します。
 さあ、《 ものしりフクロウ 》を、探しに行こう!

 
 
 
 
 
 
 
 


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