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あっちかな? こっちかな?
出口はどっち? ふむふむふむ。
まおくんは、一生懸命、さがしました。
さっきより、森が暗くなっています。冬は、日暮れが早いです。
片っぱしから声をかけ、手当たり次第に、みんなにきいて回ります。《 そこのけイノシシ 》、《 いがいがハリネズミ 》、《 のろのろカメどん 》、《 カエルんるん 》……
「ねえ、ねえ、だれか! 《 ものしりフクロウ 》さんがいるとこ、知りませんか?」
やがて、
「ボク、知ってるよ」
そう言ってくれたのは、おうちに帰る途中の《 もぐモグラ 》でした。
「 《 ものしりフクロウ 》なら、この道をまっすぐ行ったところにある、18本目の大きなどんぐりの木の枝に、いつも、だいたい、とまっているよ」
地面の穴から顔を出し、《 もぐモグラ 》は、小首を傾げ、長いひげをぴくぴくさせて、わりと大きなピンクの片手で、そちらの方向を、さしてくれます。
まおくんは、笑顔になりました。
「ありがとう、モグラさん。ぼく、18本目のどんぐりの木に、行ってみるよ」
親切な《 もぐモグラ 》に、お礼を言って、まおくんは、元気良く、かけ出しました。
めざすは、大きな 「 どんぐりの木 」 です。
ここから数えて、18本目です。
そう、ここから数えて、1,2,3,4──!
そして、まおくんは、18本目のどんぐりの木に、たどりつきました。
膝に手をつき、はあはあ肩で息をしながら、枝の上を見上げます。
すると……?
いました!
下から3番目の、木の枝です。
茶色い羽の、たまご形の鳥!
《 ものしりフクロウ 》です。
鋭いカギ爪で、枝を掴み、黄色いくちばしを、白く盛り上がった羽毛の胸につっこんで、こっくり、こっくり、しています。
《 ものしりフクロウ 》は、ただ今、うたた寝のまっ最中。けれど、自然に目を覚ますまで、待っているわけにはいきません。
まおくんは、声をかけました。
「フクロウさん、フクロウさん、森の出口を教えてよ」
ところが、です。
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