トモダチ 〜 さきちゃんと ぼく 〜 ( / 5 ページ )
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 さきちゃんが、泣いている。
 ぼくの体を、抱きしめて。
 何度も、何度も、ぼくの頭を、手で撫でて。
 
 どうして、そんなに泣いているの?
 誰かに、意地悪されたの? だったら、ぼくが、ぶっ飛ばしてきてあげる。
 さきちゃんをいじめるヤツは、誰であろうと、許さない。
 
 ……違うの?
 それじゃあ、帰って来たのに気がつかなくて、お出迎えに行かなかったから?
 大丈夫。
 ぼくは、きみのこと、嫌いになったり、してないよ。
 だって、ぼく達 " トモダチ " だから。
 ずっと、ずっと、" トモダチ " だから。
 
 泣かないで。
 すぐに、一緒に、散歩に行くよ。
 でも、待って。
 今は、ちょっとだけ、息が苦しくて。
 
 たぶん、ちょっと、疲れちゃってるだけなんだ。
 こんなの、すぐに良くなるさ。
 ただ今は、ちょっとだけ、苦しくて、なんだか、とっても眠いから、今は、少しだけ眠らせて。
 
 泣かないで。
 ぼくは、さきちゃんの笑った顔が、大好きさ。
 だから、いつもの笑顔を、見せてよ。とっておきの笑顔を、見せてよ。
 少し眠ったら、又、起きるから、
 そうしたら、きっと元気になるから、
 そうしたら、
 
 そうしたら、一緒に、散歩に行こう。
 黄色いフリスビー持って、あの土手へ。
 
 
 

トモダチ 〜 さきちゃんと ぼく 〜
 
 
 
 
 
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