番外編2 INDEX 181214 】
 

エレーンのるんるん滞在記

 

 【その4】
 息をつめて見つめたトーノが、ちらちら、こっちを盗み見ている。
 ……ん? なに?
 もしかして顔に、なんかついてる?
 でも、こっちがそれに気がつくと、
 
 パッと、そそくさ目をそらす
 
 ……えっと。
 なんで、もじもじしてんの?
 
 初めて出会ったその日から、トーノは何かと親切だ。
 日にお皿を3枚割っても、ほうきを持って、ささっと出てきて、そつなく残骸を片してくれるし、
(あっ! ちょっと!? あんた又──!?) と鬼の形相の店長を、
「まあまあまあ!」と即座にいなし、なんのかのとかばってくれるし。
 
 そんなある日のことだった。
「ランチ行かない?」
 とトーノが誘ってくれたから 「うん、いいよ」 と快くお返事。
 昼営業の片付けを終えて、待ち合わせをした裏手に行った。ケネルとてくてく。
 
 すぐに「やあ」と気づいたトーノは、
 けれど、そのまま笑顔で固まり、なんでか微妙に戸惑った顔。
 ……なに? 
 なんか間違った?
 今日はまだ、粗相はしてないはずなんだけど……?
 
 

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